2010年07月25日

7/25 「猫を抱いて象と泳ぐ」読了

「猫を抱いて象と泳ぐ」

小川洋子著
文藝春秋
★★★★★

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わたしは、碁とか将棋とか、先を読むゲームというのが苦手です。
ましてチェスなど、駒さえ触れたことがありません。

でも、この作品で、主人公のリトル・アリョーヒンがチェスの盤上に描こうとした詩情に満ちた棋譜の美しさは分かる気がします。
というか、私のようなチェスを知らない人間にも、この作品はチェスの美学を語りかけてくれるのです。

この作品の不思議な題名の真意は、物語を読み進むうちに明らかになります。
チェスの詩的世界に魅せられ、チェスの美学を貫き、チェスとともに人生を歩む(のちにリトル・アリョーヒンと呼ばれる)少年の物語です。

2010年本屋大賞の5位でしたが、私としては大賞にしたいくらいの作品でした。

つづられた言葉のひとつひとつが心に響き、行間からにじみあふれる美しい調べに酔いしれて、ページをめくるのがもったいなく感じるほどです。

読書がもたらす至福のひとときを与えてくれる、いとおしい作品でした。
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2010年06月21日

6/21 「天地明察」読了

「天地明察」

冲方丁著
角川書店
★★★★★

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2010年本屋大賞、そして第31回吉川英治文学新人賞受賞作品です。

江戸、四代将軍家綱の時代、日本独自の太陰暦を作り上げた渋川春海(安井算哲)の偉業を描いた時代小説です。

ストーリーの展開でグイグイ引きつけるというのではなく、知らず知らずのうちに引き込まれて次のページをめくっているという秀作です。

まず、登場人物、とくに主人公のキャラクターの描き方がいいですね。

江戸幕府碁方、つまり幕府公認の碁打ちでありながら、帯刀を命ぜられるも腰に差した二刀が重くて歩くのも無様という主人公の滑稽な序盤から始まり、これだけの偉業をなした人物でありながら、極めて親しみの持てる人物に描かれています。

また、彼を支える老中・酒井雅楽頭、会津藩主・保科正之、水戸黄門様こと水戸光國をはじめとする幕府の要人から、春海のライバルであり協力者である和算の開祖・関孝和、碁の名門本因坊家の本因坊道策、そして春海が密かに慕う「えん」などなど・・・周りの人物も多彩。

何度もの挫折にくじけず改暦という難事業に挑むという話なのに、決して重苦しくないのは、飄々とした主人公の生き方と周囲の人物のバランスが絶妙なのだと思います。

それとこの話で初めて知ったのは、コペルニクスが地動説を唱えて100年しか経ってないのに、当時の日本ではすでに天体観測による各地の緯度計測が行われ、太陽の動き、地球の動きが分かってたってこと。

それと、和算、今でいう数学でも、代数や行列式、終結式などの概念を当時のヨーロッパより早く打ち立てて、高等数学にまで発展させていたんですね。

私、数学は滅法弱いですが、同じ日本人として恥ずかしい(笑)

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2010年06月04日

6/3 カーサの猫村さん1

「カーサの猫村さん 1」

ほしよりこ著
マガジンハウス
★★★★★

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わが家族が愛してやまない『きょうの猫村さん』猫村ねこさん(4歳)が、村田家政婦紹介所で紹介された月1回の新しいご奉公先は、ほとんど実在の登場人物の月刊『カーサブルータス』の編集部。

『きょうの猫村さん』と同様、誌面から醸し出されるまったりとしたおかしさは健在です。

個性豊かなスタッフぞろいの編集部の中で、ひたむきに仕事に打ち込む猫村さんは、猫でありながら人間以上に人情あふれ、それでいて落ち込んだ時は思わず爪を研いだり、4本足で駆けたり…
ネコ好きは思わずプッとふき出すようなシーンもあって、たまりません。

もちろんネコを飼ってない人だって、これを読んだらゆるゆると肩の力が抜けてきますよ〜
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2010年05月23日

5/21 「1Q84 book3」読了

「1Q84(book3)」

村上春樹著
新潮社
★★★★★

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4月に発刊された昨年のベストセラーの続編です。

前2巻では、どちらかというと宗教やテロといった社会問題に焦点が当たっていましたが、第3巻では趣が変わってきました。

前巻で少しだけ登場した「牛河」が新しいキャラクターに加わり(これがなかなか興味深い人物ですが、この小説に登場するのはみんなある意味みんな強烈な個性の持ち主かも)、話は佳境へと向かいます。

ミステリーとしての展開も楽しめますが、これは天吾と青豆の究極の恋愛小説なのかも知れません。

これでもかというくらい過剰な比喩はありますが、ニヒルなタマルにも惹かれて、最後まで読ませてくれます。

おそらく、この続編はないと思うんですが・・・

posted by ゆたんぽ at 17:31| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月25日

4/23 「台北の夜」読了

「台北の夜」

フランシー・リン著
和泉裕子訳 ハヤカワ・ミステリー文庫
★★☆☆☆

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エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)受賞っていうことで読んだんですが、なんとも暗くて、重い。
台湾が舞台というのは珍しいし、歴史的理解は深まりましたが、話の展開が中途半端だったり唐突だったり・・・
主人公にも魅力を感じないし、共感できるところがちっともなくて、やっとこさ最後まで読み通したってことで、星二つ(笑)
posted by ゆたんぽ at 22:25| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月20日

4/20 楊令伝(十)読了

2010年本屋大賞の発表が、さきほどありました。

大賞は、冲方丁さんの「天地明察」(角川書店)だそうです。
今度、ぜひ読んでみたいと思います。
(遅読の私のことだから、いつになるか分かりませんが)

その他、ノミネート作品の中でとくに読んでみたいのは、
小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」(文藝春秋)。
猫というだけでその気にさせるのに、さらにインパクトのある題名。

さて、「楊令伝 十」を読み終わりました。

「楊令伝 十 坡陀の章」

北方謙三著 集英社
★★★☆☆

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童貫の死、金軍の南下で宋は崩壊。
楊令は、新しい梁山泊の国づくりのため、西の西夏、東の日本との交易の道を切り開こうとしています。

この巻は、派手な闘いはありませんが、青蓮寺は南宋を建国、岳飛将軍は自らの行方を模索し、それぞれが新しい時代を迎えようとする期待と不安にあふれ楽しめる作品となっていました。
posted by ゆたんぽ at 21:49| ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月25日

2/25 「猫」読了

「猫」

有馬頼義・猪熊弦一郎・井伏鱒二・大佛次郎・尾高京子・坂西志保・瀧井孝作・谷崎潤一郎・壺井榮・寺田寅彦・柳田國男(著)クラフト・エヴィング商會(編集)
中公文庫
★★★★★

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1955年に出版された「猫」の短編集を、クラフト・エヴィング商會が半世紀後によみがえられてくれました。

猫と暮らし、猫を見つめ、猫を慈しみ、猫に思いを寄せる文人、文化人たちの猫への思いがつづられています。

「正直なところ私は猫に飼われている。」(坂西志保)

「猫といふやつは左利きも右利きも区別がないやうである」(井伏鱒二)

「動物中で一番の縹緻(きりょう)好しは猫族類でせうね。猫、豹、虎、獅子、みんな美しい。美しいが、どれが一番いゝかと云へば猫ですね。」(谷崎潤一郎)

「私は猫に対して感ずるやうな純粋な温かい愛情を人間に対して懐く事の出来ないのを残念に思ふ。」(寺田寅彦)

「猫が物を言ったといふ話も多い。」(柳田國男)

「吾輩は猫である」の主人公は、ビールでほろ酔い機嫌になり水がめに落ちて最後を迎えますが、猫が酒を飲んで酔っぱらうというのが漱石の作り話だと思っていたら、そうでもないみたいです。

猫に酒を飲ませた大佛次郎は、
「猫にも下戸と上戸とがあると見えて、苦しがって寝てしまふ猫と、始末につかず、はしやいで駆け廻る猫と、二つに分かれたのには、こちらが驚いた。見てゐて、人間の友人たちの酔態を重い泛(うか)べたくらゐである。」と綴っています。

久しぶりの旧かなづかいも、学生時代に戻ったようで新鮮な気分。
一話一話が電車でひと駅ふた駅過ごすのに、ほどよい長さで、あなたが猫好きだったら思わずにんまりしたり、ほろりとしたりさせられます!

あっ、犬好きはどうするかって・・・姉妹書「犬」もありますから大丈夫(爆)
posted by ゆたんぽ at 22:40| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月22日

2/22 「1Q84」読了

「1Q84(book1・book2)」

村上春樹著
新潮社
★★★★★

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言わずと知れた昨年のベストセラー。
ようやく読みました。

久しぶりに日本人作家の文学作品を読んだ(北方さんの楊令伝は別として)のですが、グイグイと引き込まれて読み応えたっぷり。
これはベストセラーになるわけです。

話の内容についてはまったく白紙のまま読み始め、最初、ただのチャラチャラした話だと思ったら、なんのなんの、読者を混乱させ考えさせる作品ですね。

ラストも示唆に富んで、早く続きが読みたい(4月にbook3が出るそうです)

人生って、後戻りもやり直しもできないんだなぁ(笑)
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2010年01月20日

1/20 「黄昏の狙撃手」読了

「黄昏の狙撃手(上・下)」

スティーヴン・ハンター著
公手成幸訳 扶桑社ミステリー文庫
★★★☆☆

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元アメリカ海兵隊特務曹長、ベトナム戦争の英雄、あのボブ・リー・スワガーが帰ってきました。
新聞記者となった娘の命を奪おうとした謎の組織に復讐するために・・・

と、かなり期待して読んだのですが、事件の舞台となるヴァージニア州ブリストルのナスカーレースの説明が前半でくどいことや、娘の命を狙った組織がなんとも陳腐なこと、60代と歳をとり、かつての死闘で負った古傷が痛々しいはずが後半の追跡劇ではまるで20代のようにバイクで山道を疾駆するなど、かつてのスワガー3部作のような手に汗にぎるような緊張感も緊迫感がちっともありません。

しかも、誤植、誤訳が多いというのもちょっといただけませんね。
編集者が手を抜いたとしか思えません。。

救いは、作品のなかにときどき出てくるボブのジョークあふれるセリフです。

それにしても、アメリカっていうのはまだまだ銃社会なんだなぁ〜
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2009年12月01日

12/1 「夜のフロスト」読了

今日から師走、今年もあとひと月です。

今年の後半は友人や先輩が病に侵されたり、倒れたりということが続きました。
先週も2年先輩にお別れをして、しばらくショックで落ち込んでいました。

そういう歳になってきたということなのかも知れませんが、健康であることの有り難さをしみじみと感じています。

そして明日、人間ドックです。
自分の周りでそういうことが起きているので、先生から何を言われるかちょっとドキドキですが・・・

さて、きのうに引き続き本の話です。

「夜のフロスト」

R・D・ウィングフィールド著
芹澤恵訳 創元推理文庫
★★★★★

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フロスト警部シリーズの第3弾だそうです。

このシリーズ、初めて読みましたが、とんでもない警部がいたもんです。
捜査は直感のみの行き当たりばったり、口を開けば下品きわまりないジョークで周囲を煙に巻き、上司署長の命令など屁とも思っていないスケベ警部。
それでもなぜか最後には事件はすべて解決してしまう。

映画だったらR指定間違いなしの主人公の下劣なセリフって、英語でどう表現されているのか興味ありますが、見事に翻訳してくれた訳者にも脱帽です。

ぜひ全シリーズ読んでみたいですね。

しかし、文庫で760ページってどうなんだろう。上下巻にならなかったんでしょうか。持ち歩きするのに大変でした(笑)

posted by ゆたんぽ at 23:07| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月30日

11/30 「楊令伝9巻」読了

きょうは、姪の公募制推薦入試の合格発表の日でした。

学校の先生も合否を確認してくれるとは言ってましたが、ずっと姪の面倒をみているうちのカミさんが、「10時にネットを見れるのはあなたしかいないんだから」とかなんとか言って大役を仰せつかりました。

ところが、こういう日に限って10時から全職員を集めての給与引き下げの話があったりして・・・(泣)

カミさんから催促のメールが来るも、解放されたのは10時30分。

急いで大学の合否照会センターのページを見ましたが、今度はエラー画面になって受け付けてくれません。
よく見たら「受検者番号」を間違えて入力してました(笑)

でも、無事合格してました。ヨカッタヨカッタ
すぐ、カミさんと姪に報告のメールしたら、姪から「ありがとうございます。でも携帯で10時に確認してました〜」だって。

さて、「楊令伝 九」を読み終わりました。

「楊令伝 九 遥光の章」

北方謙三著 集英社
★★★☆☆

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楊令率いる梁山泊と、童貫率いる宋禁軍の総力戦。
そしてついにあの童貫元帥が、楊令の吹毛剣で首を落とされてしまいました。
なんだかあっけなかったなぁ。
そして、楊令の新しい国造りが始まるのですが、なにやら青蓮寺の動きも怪しいぞ、ということで10巻に続く(笑)

まだまだ楊令の戦いは終わらないようです。
posted by ゆたんぽ at 22:22| ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月03日

10/3 「サラマンダーは炎のなかに」読了

きょうは中秋の名月なんだそうです。
昼間は、雨が強く降ったり晴れ間が出たり雷が鳴ったり大荒れの天気でしたが、夜になって真ん丸のお月様が雲間から顔をのぞかせています。
うさぎが餅つきをしているのがよく見えます(笑)

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読書の秋ですねぇ〜

「サラマンダーは炎のなかに(上・下)」

ジョン・ル・カレ著
加賀山卓朗訳 光文社文庫
★★★★★

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エスピオナージュ(スパイ小説)の巨匠ジョン・ル・カレの2003年の作品です。

解説では、9・11以降の世界の枠組み、アメリカ(ブッシュ政権)によるイラク戦争への怒りによって書かれた作品だそうですが、その文体はまぎれもなくル・カレ流。

舞台は、1947年、インドから独立したパキスタンから始まり、イギリス、ドイツへと続いていきます。
ル・カレの原点とも言える冷戦時代のスパイ戦が語られたりしますが、ル・カレ独特の婉曲な言い回し、過剰とも言える比ゆが延々と続き、話の本筋とは一見何の関係もない空間、時間を突如行ったりきたり・・・

その回りくどい語り口と、全体にちりばめられた逸話に翻弄されながらも、いつの間にか衝撃的な結末へと導かれていきます。

ル・カレも80歳近いと思いますが、まだまだその筆致は力強く、まだ翻訳されていない作品を早く読んでみたいですね。
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2009年09月28日

9/28 「楊令伝 八」読了

シルバー連休前から続いた娘のインフルエンザによる学年閉鎖がやっと解除になり、きょう久しぶりに登校して行きました。
思いがけず2週間も家にいると本人も飽きるらしく、「やっと学校に行ける」と喜んでますし、カミさんも「またお弁当が始まるけど、家でダラダラされてるよりいい」ということです。

息子のほうは、ぼちぼち感染している生徒はいるみたいですが、本人は今のところいたって元気です。

さて、「楊令伝 八」を読み終わりました。

「楊令伝 八 箭激の章」

北方謙三著 集英社
★★★☆☆

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金軍の宋への南下も始まり、童貫率いる宋禁軍と楊令・梁山泊との全面対決がいよいよ本格化してきました。
このままずーっと戦闘場面が続くわけじゃないと思いますが、どうなんでしょうか。

まさかのどんでん返しが用意されているかどうか、次の章への期待が高まります。
posted by ゆたんぽ at 18:08| ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月03日

9/3 きょうの猫村さん4

わが家族全員の愛読書、「きょうの猫村さん」の第4巻が発刊されました(ほしよりこ著/マガジンハウス)。

犬神家で家政婦として働く猫村ねこさんも4歳となりました。
こんな家政婦さんがうちにもいてくれたらと思うのですが、うちのネコさんときたら・・・

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それはさておいて、もうひとつ、わが家が楽しみにしている「小さな恋のものがたり」、これまで1年に1回毎年5月に出ていたのが、おととしの第41集から発刊されていません。

昨年6月の学研のホームページに「作者のみつはしちかこ先生が体調不良で発売日に間に合わせることが出来ず発売延期となったが、体調も回復し第42集がまとまった折には案内する」とあったきりで、すでに1年以上経過しています。
ちょっと心配だなぁ〜
posted by ゆたんぽ at 00:20| ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月05日

8/5 「楊令伝 七」読了

今朝、娘がふたたび合宿に出発。今度は部活の合宿です。
そして夕方、入れ替わりに息子が1週間の合宿から戻ってきました。

おみやげは、汗まみれ、土まみれの洗たく物の山です。
ま、無事、ケガもなく帰ってきたので、よしとしましょう。

さて、「楊令伝 七」を読み終わりました。

「楊令伝 七 驍騰の章」

北方謙三著 集英社
★★★☆☆

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宋という国の中に、もうひとつの国をつくった楊令・梁山泊。
いよいよ、童貫率いる宋禁軍との全面対決に入ります。

この巻では、残念なことにまた一人、梁山泊の勇者が散っていきました。
でも、その子はまた、父の志を継ぎ、新しい梁山泊軍の漢として戦いのなかに生きていくことになります。

数で勝る童貫軍が勝つのか、梁山泊に未来はあるのか。
史実はともかく考えないようにして、まだまだこの先は長そうです。
posted by ゆたんぽ at 23:10| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月10日

「時間封鎖」読了

「時間封鎖(上・下)」

ロバート・チャールズ・ウイルスン著 茂木健訳 創元SF文庫
★★★★★

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2006年ヒューゴー賞長編部門受賞作。
“Web本の雑誌”で、5人の目利き審査員が初めて全員五ツ星をつけたのを見て、早く読んでみたくてたまりませんでした。
SFというのはあまり読まないのですが、これは登場人物たちの心の動き、世界観がきめ細かく書き込まれていて、文学作品としてもかなりのレベルが高いと思います。

だから最初は、あれっ、これって本当にSFなの?って思いますが、ある晩突然星が消えて、偽の太陽が現われるといったところから、あ〜やっぱりSFだったんだと気づかされます。

地球は「仮定体」と呼ばれる謎の膜に覆われ、地球の時間だけが1億倍で遅くなる。
一体誰が、何のために・・・。

地球上の数十年は宇宙の数十億年に値し、このままでは太陽が赤色巨星となって地球が飲み込まれるのが必至で、それを救う手段として時間を逆手にとって火星で生物進化させ移住者を送り込む。

火星ではあっという間に10万年が過ぎて「火星人」が驚異のバイオ技術を携えて地球に舞い戻ってくる。
そして、地球を覆った膜の結末は、、、、

残りページが少なくなるにつれて、終わってほしくないと思えるほど楽しめました。
posted by ゆたんぽ at 23:32| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月09日

「楊令伝6」読了

「楊令伝 六 徂征の章」

北方謙三著 集英社
★★★☆☆

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つい先日、第9巻が発刊されたばかりの楊令伝ですが、やっと6巻を読み終えました。

派手な展開はないものの、積年の思いを遂げようとする聞煥章と、わが子を救いたい一念で罠に嵌められ捕らわれの身となった扈三娘の展開の結末が気になり、早く次のページをめくりたくなる巻でした。

欲望に駆られた聞煥章が、結局は自らの欲望に捕らわれていたということだったのですねぇ。
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2009年03月22日

「ハーンの秘宝を奪取せよ」読了

「ハーンの秘宝を奪取せよ(上・下)」

クライブ・カッスラー&ダーク・カッスラー著 中山善之訳 新潮文庫
★★★☆☆

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おなじみダーク・ピットシリーズの第19作目。
今回の舞台はシベリアのバイカル湖からモンゴル・ゴビ砂漠、そしてハワイ。
プロローグは1281年の博多湾の蒙古襲来、1937年尾の中国・上都の発掘現場から始まり、そして現代の石油問題、地震と探査技術をベースにした怪しい組織の陰謀へと展開していきます。

ダーク・ピットと親友アル・ジョルディーノ、ルディ・ガンの八面六臂の活躍は、どんな障害にあっても不屈の精神力と機知に富んだアイデアで切り抜けてしまうという、ハリウッドのアドベンチャー映画のような痛快さと安心感がありますが、さすがにダーク・ピットも作者のクライブ・カッスラーも歳を取ってしまったのか、初期の頃のような雄大さと切れの良さはなくなってしまったような気がします。

でも、石油に依存している現代社会のリスクを取り上げた今回の作品は、昨年の原油価格の暴騰に翻弄された世界経済と重ね合わせて非常に時機を捉えた話題で、クライブ・カッスラーの先見の明に感心させられました。

posted by ゆたんぽ at 11:52| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月14日

「楊令伝(五)」読了 

「楊令伝 五 猩紅の章」

北方謙三著 集英社
★★★☆☆

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身分を偽った呉用が参謀として加わった江南での方臘の宗教反乱は、童貫軍によって鎮圧。
一方、梁山泊軍は燕雲十六州での動乱のすきをついて、河水地方を制圧。
いよいよ次巻は、禁軍と梁山泊軍との本格的な闘いになるのかと思いきや、扈三娘への恨みを持つ聞煥章の悪だくみが始まったようで・・・ まったく罪作りな終わり方です。
posted by ゆたんぽ at 23:31| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月08日

「シャルビューク夫人の肖像」読了

「シャルビューク夫人の肖像」

フェフリー・フォード著 田中一江訳 ランダムハウス講談社文庫
★★★★☆

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「姿を見ないで肖像画を描いてほしい」という依頼を受けた画家ピアンボ。法外な報酬で引き受けた彼の周りで起きる奇怪な出来事。

読み始めた途端にその幻想的な世界にぐいぐいと引きずり込まれてしまいました。

預言者であるシャルビューク夫人の嘘とも誠ともつかぬ過去とともに、19世紀後半のニューヨーク、阿片、双子の雪の結晶のペンダント、霊薬、血の涙を流す奇病などなど、登場する言葉、小道具が何とも幻惑的雰囲気をかもし出し、この小説そのものが読む者を惑わせていきます。

物語の結末はある程度想像はつきますが、非常によく出来たミステリーだと思いました。
posted by ゆたんぽ at 12:35| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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